鵺として
鵺(ぬえ)という架空の生き物がいる
生き物というか、妖怪の類だ。
顔は猿、体は狸、四肢は虎、そして尻尾は狐のいわゆるキメラ。
その後ろ足(と尾)を使って直立姿勢を取り、人を喰らうこともあったとかなかったとか。
平安時代に貴族の屋敷に神出鬼没に闇から現れては、それはそれは人々を怖がらせたという。
そんな伝承の存在は紛い物、畏怖の象徴として
今に至るまで語られてきたが、なんとここ数年で鵺に纏わる面白い学説が発表されているらしい。
それは
「鵺=レッサーパンダ」説(諸説あり)
である。
おいおいお前さん、猿だか狸だか入り混じった奇妙奇天烈な化物が
あんなに可愛いレッサーパンダちゃんな訳ないじゃないのさこのスットコドッコイ。
わかる。大いにわかるぞ奥方様よ。
しかし学説として、なかなか説得力ある学説のようで。
レッサーパンダの原産はもともとユーラシア大陸上の中国やインドであり
大陸が分裂する前には陸伝いに日本へ移動し、それなりの数生息していてその姿形は
動物園で見るようなのとほぼ相違なかったと。
ただその後日本が島国になっていくにつれて、独自の進化を遂げていき
ちょっとした猿のサイズにまで大きくなっていったという(いわゆるガラパゴス化というやつですな)
実際に日本列島では平安当時の地層までで、そのくらいのサイズの風太くんシリーズの骨が発掘されている。(新潟だかどこだか)
それでいて、その見た目、確かに見た目は狸っぽいし、あの縞をして虎とも言えるだろうし、尾が狐は確かにふわふわしているからなんとでも言える。
猿の顔はいささか疑問符を頭に浮かべざるを得ないが、それでも80%程度は腑に落ちる。
そもそも鵺が伝承・架空の存在であるため、この説が正しいとは断言できないし
ファンタジーはファンタジーで成立させておこうよという意見も最もだと思う。
ただ、日本古来より伝わり、ものによっては未だに我々を怖がらせる物の怪の類いの正体が
テクノロジーの進歩などで案外あっけないものだと判明するという、ほんわかパラダイムシフト。
それはそれで、興味を唆るものがある。
(人型の妖怪はほぼ9割方、捨てられたけどなんらかの加護を受けながら
生きていた障がいをもった人々だと思うが。)
オチはない。
特に何も考えずに書き始めたらかだ。
ま、私も鵺みたいなもので。
いろんなもののハイブリッドと思われながらも実は
正体可愛いかったり、可愛くなかったり。
ブログを立ち上げてみたものの
何を書こうかね、さて。